兵庫県朝来市和田山町に、天空の城と呼ばれる「竹田城跡」があります。
秋の晴れた朝に濃霧が発生し、この霧が城跡周辺を取り囲み空の中に浮いているように見えるためこう呼ばれています。
雲海が見れる時期は、特に9月下旬から12月頃の明け方から朝の8時頃までで、朝が冷え込み昼には気温が上がった晴れた日によく見られる。
竹田城跡とは?
竹田城跡は、標高353.7mの古城山山頂に築かれた山城です。古城山の山全体が虎が伏せているように見えることから、別名「虎臥城(とらふすじょう、こがじょう)」とも呼ばれています。
天守台・本丸を中心に、三方に向けて放射状に曲輪が配置されており、縄張りの規模は東西に約100m、南北に約400m、「完存する石垣遺構」としては全国屈指の規模を誇ります。築城当時は土塁で守られていた城が、最後の城主赤松広秀により、今に残る総石垣造の城に改修されたとされます。
<竹田城跡公式H・Pより>
朝来(あさご)市のシンボルでもある「竹田城跡」は、廃城から400年以上経ちながらも石垣が良い状態で保たれている日本でも数少ない山城で、2006年には日本100名城に指定され、映画「天と地と」や高倉健主演の「あなたへ」のロケ現場にもなっています。
明け方の雲海に浮かぶ城跡は絶景で素晴らしく、その評判で今や年間30万人を越える大人気の癒しのスポットです。
タモリさんやハリウッド俳優のトミー・リー・ジョーンズさんが出演するCM「プレミアム城跡」編(サントリーコーヒー)は、ここがロケ地となっていて雲海の中に浮かぶ城跡がまさに天空の城の風情を見せます。
そんな「竹田城跡」へ登って見ることにしました。
竹田城跡への登山道ルートは四つ!観覧料金所まで最短で40分
竹田城跡へ登るルートには、4つの登山道があります。
どのルートに置いても、料金所入口まではかなり斜面が続くので軽い気持ちで登ると後悔するかも知れません。
また、観覧料金所入口から天守台(353.7m)まで急な登りが続き不安定な階段状になっていますので、登りやすい靴と夏ならタオルや飲み物は必需品です。
上記地図に示す赤丸ナンバーの4つが、料金所入口までの登山ルートになります。
JR竹田駅の南側から登るルート
①駅裏登山道・・・料金所入口までの距離0.9km 徒歩約40分
JR竹田駅から降りて登る通常の登山道です。
②表米神社登山道・・・料金所入口までの距離1.2km 徒歩約45分
坂がきつく階段もあり脚力に自信がある人向き。
③南登山道・・・料金所入口までの距離長い 徒歩約60分
こちらの道路は一方通行で、車両で城跡へは行けません。
「山城の郷」の北側からルート
④西登山道・・・料金所入口までの距離2.1km 徒歩約40~50分
「山城の郷(やましろのさと)」には、駐車場の他、レストラン・売店・トイレも完備されていますので、行き帰りの拠点になります。
「山城の郷」に駐車して、ここから竹田城跡がある頂上へと進んで行きます。
第一~第三駐車場まであり、約110台の駐車が可能です。
マイカーで来るなら、こちらのルートが良いのではないかと思います。
またここには、タクシーが控えていて中腹の第二駐車場まで乗せてもらえるので、ご年配の方や足に自信のない方は利用されるも良いと思います。
山城の郷 | |
---|---|
施設内容 | レストラン・売店・トイレ・駐車場・グランドゴルフ |
営業時間 | 9:00~16:00 |
定休日 | 年中無休 |
所在地 | 兵庫県朝来市和田山町殿字新井土13-1 |
電話 | 079-670-6518 |
<第一駐車場(レストラン・売店前の駐車場)>
<第三駐車場>
今回は、こちらの西登山道ルートを利用して登って見ました。
車で来るなら西登山道ルートを選びたい!森林浴も堪能
竹田城跡への西登山道ルートは、「山城の郷」の案内板から始まります。
案内板には、ルートや距離・時間・休憩所などが書かれています。
「山城の郷」からも山頂の竹田城跡がかすかに見えます。
正面の山の頂です。
少し拡大するとはっきりと見えてきます。
これから登って行く西登山道から、「山城の郷」を見下ろすとこんな感じです。
この斜面を料金所入口まで登って行きます。
曲がりのある、こんな道路が続きます。
途中の道路沿いからも所々城跡が見え、少しずつ近くなっている感じです。
「山城の郷」から歩いて20分位過ぎた所にある、天空バスやタクシーの乗降所。
タクシー乗降所を少し過ぎると、トイレ・自販機やアイスクリームを売っている中腹の休憩所があります。
この道を左に行けば休憩所、真直ぐ進めば竹田城跡へと続きます。
「山城の郷」から1.5kmの所にある中腹の休憩所。
売店には、アイス200円・バニラモナカ150円・記念タオル300円や天然水を売っています。
普段登らない坂道を歩くのでかなりバテます、特に夏の暑い時は水分補給、冬の寒い時は体を温めるためにここで一旦休憩を取っって頂上へと目指すの方が良いと思います。
ここから料金所入口まで700mです。
この休憩所の竹田城山門が、竹田城跡散策の大手門コースの出発地点。
門をくぐってもうひと踏ん張りです。
観覧料金所までの散策道路沿いにある史蹟案内板。
竹田城跡の遺構(過去の建築物、工作物、土木構造物などが後世に残された状態)や城主について書かれています。
城主は築城後、太田垣光影→以後7代→桑山重晴→赤松広秀と移っていったことが記されてる。
竹田城跡内の見学順路!城内は一方通行で入口と出口は別
竹田城跡の見学順路です。
城内は、北千畳から本丸へそして南千畳へと続いていき、その大きさは南北約400m、東西約100mの大規模な城跡です。
全体の面積は、面積は18,473㎡に及び北千畳曲輪・南千畳曲輪・花屋敷曲輪の3つは標高が331mとほぼ同じ高さで、本丸の標高は351mなので標高差は20mあります。
赤の矢印方向に下記番号箇所を見学していきます。
竹田城跡観覧料受付所①
2.1kmの道のりを歩き、竹田城跡観覧料受付所に到着。
山門からここまでの道路斜面はきつくなりますので、700m程の道のりですがかなり疲れます。
城跡内には、トイレが有りませんので不安な方はトイレ休憩を!
竹田城跡観覧料は以下の料金となります。
竹田城跡観覧料 | |
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大人(高校生以上) | 500円 |
中学生以下 | 無料 |
年間パスポート | 1,000円 |
観覧料金所を通過したら、いよいよ竹田城跡の見学です。
城跡までは、高さのある石段と土道が続くので高さのある靴は危険、また、濡れていると滑るので注意が必要です。
城跡内は一方通行で、入口と出口は別々の所となります。
<見学順路登り②北千畳・大手門へ>
北千畳へ登る石段。石の大きさの違いや土道面もあって足元が不安定です。
大手門付近の石垣。
石垣の出角部分は、長方体の石の長辺と短辺を交合に重ねる「算木積」みという技法で作られ、この方法は強度が高く壊れにくい。
北千畳付近では、安全上黒いシートが敷かれています。
ここを上がって右側が北千畳、左側へ行けば大手門と続く。
<見学順路登り③北千畳>
「北千畳郭」は広く、ここから城下への眺めも絶景です。
「北千畳」のこの石垣の向こうが大手門です。
<見学順路登り④三の丸>
三の丸入口の「大手門」。
大手門を上がった三の丸から見る本丸。
<見学順路登り⑤弐の丸>
三の丸から弐の門へ。
「弐の門」と石垣。
「弐の丸」。
「弐の丸」からみる南千畳・南弐の丸方向。
<見学順路登り⑥本丸と天守台>
左に弐の丸、正面が本丸です。
「本丸」とその上の「天守台」までもうすぐです。
本丸の石垣は、「穴太積み」という技法の重ね方をしており、姫路城や安土城も同じ技法の石垣作りです。
高倉健主演の映画「あなたへ」では、高倉健さんがこの位置から天守台を眺めるシーン撮った場所です。
知っている人は、ここで同じようなポーズをして記念写真を撮るようです。
本丸内は意外と狭い。
本丸内にある「天守台」。
木製の階段を上がれば、一番高い天守台353.7mの頂上に到着です。
「天守台」から見下ろす南弐の丸と 南千畳。
絶景のスポット!日本の「マチュピチュ」と言われるのも分かる気がします。
「マチュピチュ」は下記の記事で
「天守台」から左側を見れば、今歩いてきた弐の丸・三の丸が見える。
<見学順路登り⑦花屋敷>
この木製の階段を上がれば本丸です。
木製の階段通路から見た北千畳方面。
北千畳と南千畳の曲輪に対して、北部に位置する曲輪が「花屋敷」です。
南北の防御性を高めるためのものだったようです。
<見学順路下り⑧南弐の丸>
本丸から下って行きます。
右側の木が何本か立っている所が、「南弐の丸」になります。
<見学順路下り⑨南千畳>
「南の正門」。
左の石垣の上が南弐の丸で、南千畳はこの手前にあります。
「南千畳」。
雲海に浮かぶ竹田城跡の美しい映像
竹田城跡巡りを終えて思うこと
竹田城跡は、8年程前は観光客も年間2万人位でしたが、映画のロケ地になったり雲海に浮かぶ城跡の素晴らしさが少しずつ評判を呼び、2年前には年間30万人を突破、今もなお増え続けてい大人気のスポットです。
雲海を見るなら秋の9月~12月の朝方、それ以外の季節なら散策や城跡巡りが楽しめます。
また、パンフレットに載っているような雲海に浮かぶ竹田城跡全体を眺めるなら、円山川を挟んだ向かいの朝来山の中腹にある立雲峡からが絶景ポイントになっていますので、時間があればこちらも一度訪れて見てはいかがでしょうか。
竹田城跡は、城も無い廃城でありながら、雲によって見出された絶景が今や多くの人の集める観光地となり、但馬及び朝来市周辺に観光客の恩恵をもたらす史跡です。
増え続ける観光客で、素晴らしい城跡を形どる石垣や城郭・自然が損なうことなく後生に伝わるよう願うばかりです。
「竹田城跡」の詳細情報
【竹田城跡】
所在地: 〒669-5252 兵庫県朝来市和田山町竹田古城山169番地
問い合わせ:情報館 「天空の城」
TEL: 079-674-2120 FAX: 079-674-0130
竹田城跡公式ホームページ⇒こちら
【城跡見学時間】
時期 | 見学時間 |
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3月1日~ 5月31日 | 午前8時~午後6時(最終登城 午後5時30分) |
6月1日~ 8月31日 | 午前6時~午後6時(最終登城 午後5時30分) |
9月1日~11月30日 | 午前4時~午後5時(最終登城 午後4時30分) |
12月1日~翌年1月3日 | 午前10時~午後2時(最終登城 午後1時) |
※雲海の見れる秋の9月1日~11月30日は午前4時から登城可能。
【観覧料・登山ルート】記事内にて
【アクセス】
マイカー:播但連絡有料道路「和田山IC」から国道312号線へ「山城の郷」第1駐車場まで約10分
電車:
・JR山陽本線・新幹線利用(約95分)
JR姫路駅でJR播但線へ乗り換え「JR寺前駅」へ「和田山行き列車」へ乗り換えて「JR竹田駅」で下車
・JR山陰本線/JR福知山線利用(約7分)
「JR和田山駅」でJR播但線に乗り換え「JR竹田駅」下車
【天空バス】
運行ルートは、竹田駅⇒山城の郷⇒竹田城跡⇒まちなか駐車場⇒上町⇒竹田駅⇒山城の郷
天空バス行先 | 運賃 |
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JR竹田駅~竹田城跡 | 大人260円(小人130円) |
山城の郷~竹田城跡 | 大人150円(小人80円) |
JR竹田駅~山城の郷 | 大人200円(小人100円) |
※一日乗車券:大人500円(小人250円)
天空バスは一方向の運行ですので、行き帰りでは時間が違っています。
【雲海バス】
竹田城跡の雲海シーズン利用したい運行バス
運行期間:9月3日(土)~11月27日(日)までの土日祝日
運賃:大人:片道500円 小児:片道250円
<運行先と時間>
行きはイオン和田山店⇒山城の郷:午前4時(始発)~午前6時20分(終発)まで
帰りは山城の郷⇒イオン和田山店:午前7時(始発)~午前9時20分(終発)まで
【お宿情報】:>>竹田城跡の周辺宿はこちら【楽天たびノート】
<竹田城跡の周辺マップ>