一度は見ておきたい日本人が誇る日本の世界遺産!
「世界遺産(せかいいさん)」とは、1972年の第17回ユネスコ総会で成立した「世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約」(世界遺産条約)に基づき世界遺産リストに登録されたもの。
対象は、遺跡、景観、自然など、人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ物件で、移動が不可能な不動産やそれに準ずるものが対象となっている。
自然遺産:顕著な普遍的価値を有する地形や地質、生態系、絶滅のおそれのある動植物の生息・生育地など
文化遺産:顕著な普遍的価値を有する記念物、建造物群、遺跡、文化的景観など
複合遺産:文化遺産と自然遺産の両方の価値を兼ね備えているもの
2016年12月現在では、世界遺産は1052件(文化遺産814件、自然遺産203件、複合遺産35件)が登録され、そのうち日本では20件(文化遺産16件・自然遺産4件)が登録されています。
2017年7月9日に、福岡県の古代遺跡「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群が新たに世界文化遺産に登録されることが決まり、これで日本は21件(文化遺産17件・自然遺産4件)となりました。
世界遺産に登録されると維持するという義務があります。
義務により日本の伝統・文化・自然が継承され後世に残り、それを見る日本人はあらためて日本の文化・自然の価値に気付き大切に守っていくのだと思います。
そんな日本の世界遺産は一見の価値有り、一度は見ておきたいものです。
今回は、世界文化遺産である8つの「神社」をご紹介します。
歴史の伝承!世界文化遺産「神社」
神道は古く、1000年以上前から日本の風土に根ざした宗教で、人と神が共に理解し生きる場こそが神社です。
日本には、その地域に根ざした数多くの神社が存在し、常に門戸は開放されいつでも神の聖域に入ることができます。
又、神社には教義や経典がないので、鳥居や境内の構成・様式にも制約がなく地域に合った個性的な神社も多く見られます。
中でも、世界遺産となっている神社は境内や社殿の大きさ・建築様式・装飾・歴史・景観など、日本人が伝承してきた世界に誇れる貴重で素晴らしい文化遺産です。
賀茂別雷大神(かもわけいかづちのおおかみ)
開運・厄除・災難除・雷除・方除・必勝・八方除・電気産業守護
本殿・権殿(国宝)
その他御殿41錬(重要文化財)
古都京都の文化財
広大な敷地を持つ上賀茂神社は、第一ノ鳥居をくぐれば真直続く長い参道には、清らかな空気感で包まれています。
第二ノ鳥居をくぐると細殿にある神山をかたどった「円錐形の立砂」が目にとまる。
これは、神山を模し神様が降臨なさる時の神籬(ひもろぎ:神を迎えるための依り代)で、砂の頂点には松葉がさしてあります。
主祭神である賀茂別雷大神は神山の地に降臨され、天武天皇(678年)の時代に今の元となる社殿が完成されました。
平安時代の様式を色濃く残す国宝の本殿・権現の他、重要文化財の社殿が多数。
上賀茂神社と下鴨神社の例祭で、京都三大祭の一つ「賀茂祭(葵祭)」が、毎年五月十五日に行われます。
優雅な行列や豪華絢爛な王朝絵巻がくりひろげられ、見るものは平安時代にタイムスリップしたような感覚になります。
正式名称:賀茂別雷神社(かもわけいかづちじんじゃ)
通称:上賀茂神社 (かみがもじんじゃ)
住所:〒603-8047 京都市北区上賀茂本山339
TEL:075-781-0011
公式ホームページ:上賀茂神社
上賀茂神社のパワースポット⇒準備中!
賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)
玉依媛命(たまよりひめのみこと)
楼門・舞殿・服殿・四脚中門等31棟(重要文化財)
古都京都の文化財
「下鴨神社」は、十二万四千平方メートルの広大な「糺(ただす)の森」から表参道入る京都の最古の神社で、京都で最も清らかで尊導きの神様としてのご神徳を持ち、縁結びのご利益を頂けるなど多くの女性に人気のパワースポットです。
主祭神は、西本殿の賀茂建角身命(かもたけつぬみのみこと)と東本殿の玉依媛命(たまよりひめのみこと)で、初代天皇である神武天皇の東征の際に、黒い衣をまとって道案内をした八咫烏が賀茂建角身命の化身だとされてます。
「みたらし団子」は、下鴨神社が発祥地です。
西参道にある人気のお茶さんで、良い焦げ目がついてたっぷりの蜜をからめた美味しいお団子がいただけます。
正式名称:賀茂御祖神社(かもみおやじんじゃ)
通称:下鴨神社(しもがもじんじゃ)
住所:〒606-0807 京都府京都市左京区下鴨泉川町59
TEL:075-781-0010
公式ホームページ:下鴨神社
菟道稚郎子命
仁徳天皇
摂社春日神社本殿(国・重要文化財)
古都京都の文化財
京都府宇治市宇治山田に鎮座する「宇治上神社」は、隣接する宇治神社を少し登った場所にあり、明治の頃までは二社一体となし「離宮上社」と呼ばれていました。
木々の新鮮な空気と山側から流れる癒しの空気が境内に満ちおり、広い拝殿と後ろには本殿が配置され、両方が国宝であり日本最古の神社でもあります。
また、境内には樹齢300年を越えるケヤキの御神木や桐原水と呼ばれる御神水が湧き出ており、置いた石が落ちなければ願いが叶うとされる天降石など多くのパワースポットが存在します。
正式名:宇治上神社(うじがみじんじゃ)
住所:〒611-0021 京都府宇治市宇治山田59
TEL: 0774-21-4634
公式ホームページ:宇治上神社
宇治上神社のパワースポット⇒準備中!
<主祭神は4柱(総称:春日神)>
武甕槌命(たけみかづちのみこと)
経津主命(ふつぬしのみこと)
天児屋根命(あめのこやねのみこと)
比売神(ひめがみ)
縁結び・開運厄除・学業成就・仕事運・家庭運・商売繁盛・災難除け
本社・本殿4錬(国宝)
本社・摂社等28錬(重要文化財)
古都奈良の文化財
「春日大社(かすがたいしゃ)」は、全国に約1000社ある春日神社の総本社で、中臣氏の氏神を祀るために768年に創設されました。
春日大社の神木とされる大杉は、樹齢800年で高さ約25メートルあり年末には、長さ約8メートルの注連縄が架けられ新年を迎えます。
約30万坪と広大な境内には、御社殿の他、三蓋山や飛火野(とびひの)の草原、萬葉植物園、鹿苑などがあり、清い空気が流れるパワースポットで都会のオアシスでもある。
境内にいる鹿は奈良では有名ですが、都会の中で動物と人間が共存している所は世界でも希にしかありません。
御祭神は武甕槌命(タケミカヅチノミコト)・経津主命・天児屋根命・比売神の4柱。
春日大社には、61社もの摂末社があり、中でも奥の院参道沿いにある15社は人生の節目節目で助けてくださる有り難い神様が祀られています。
第一番納札所である若宮神社から、順番に15社をお参りして開運を上げる「15社巡り」があります。
正式名称:春日大社(かすがたいしゃ)
住所:〒630-8212 奈良市春日野町160
TEL:0742-22-7788
公式ホームページ:春日大社
市杵島姫命(いちきしまひめのみこと)
田心姫命(たごりひめのみこと)
湍津姫命(たぎつひめのみこと)
航海安全・水難守護・縁結び・商売繁盛・技能向上・幸運・勝負運
本殿2錬・摂社2錬・回廊2錬(国宝)
摂社・末社他11連3基(重要文化財)
平安時代の優雅さを誇る広島の文化財
「厳島神社」は、回廊が海の上に浮かび平安時代にタイムスリップしたかのような優雅な造形は美しく、海から見た朱色の大鳥居は周りの青と背景の緑が包みこみ、色彩豊かな風景が美しさをよりいっそう引き立てています。
推古天皇の時代に最初に建てられた社殿は、12世紀の平安時代後期に入り平清盛が平家一門の守護を祈願して、海の上に壮大な社殿へと改築されました。
世界文化遺産に登録される「厳島神社」は、全国に約500社ある厳島神社の総本社でもあり、古くは人が住むことが許されていなかった島であったためパワースポット満載の場所です。
住所:〒739-0588 広島県廿日市市宮島町1−1
TEL:0829-44-2020
公式ホームページ:厳島神社
東照大権現(とうしょうだいごんげん)
神格化した徳川家康の名称
相殿:豊臣秀吉(とよとみひでよし)
相殿:源頼朝(みなもとのよりとも)
勝負運・仕事運・長寿・商売繁盛・開運招福・出世運・子孫繁栄・願望成就
本殿、石の間及び拝殿1錬・正面及び背面唐門2錬・東西透堀2錬・陽明門1錬・東西回廊1錬の全8連(国宝)
五重塔・表門・神楽殿他34連(重要文化財)
江戸期に創建の神社建築の見本となる栃木・日光の文化遺産
二荒山大神(ふたらやまのおおかみ)
【二荒山大神は親子三神の総称】
父:大己貴命(おおなむちのみこと:大国主命)
母:田心姫命(たごりひめのみこと)
子:味耜高彦根命(あじすきたかひこねのみこと)
無病息災・学業成就・縁結び・五穀豊穣・健康増進・国土経営・仕事運
小太刀 銘来国俊・黒漆蛭巻太刀拵(国宝)
大太刀 銘備州長船倫光貞治五年二月日 附:野太刀拵(国宝)
本社本殿・拝殿他11連(重要文化財)
神域が日光三山を含む広大な境内地の 栃木・日光の文化財
「日光二荒山神社」の創建は、古く勝道上人が767年(神護景雲元年)に二荒山(男体山)山頂に、二荒山大神を祀る祠を建てたことが始まりです。
神域となる境内は広く、日光三山を含むご神体山である男体山をはじめとする日光連山8峰(男体山・女峰山・太郎山・奥白根山・前白根山
・大真名子山・小真名子山・赤薙山)、そして華厳の滝やいろは坂など、その広さは3,400haにもおよぶため神の眷属(けんぞく)も多く強力
な霊験を感じる神社の一つです。
江戸時代の初頭に徳川家康を祀るため、日光三貫主天海が日光東照宮を創建したことにより、日光二荒山神社も幕府から庶民にいたるまであがめられ信仰されることとなりました。
宗像三女神(宗像大神)
沖津宮(おきつぐう): 田心姫神(たごりひめのかみ)
中津宮(なかつぐう):湍津姫神(たぎつひめのかみ)
辺津宮 (へつぐう): 市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)
航海安全・水難守護・縁結び・商売繁盛・技能向上
中国・朝鮮半島製品を含む金製指や三角縁神獣鏡・金銅製龍頭など約8万点(国宝)
国宝数では日本一を誇る
宗像神社辺津宮拝殿・本殿、宗像大社文書12巻など9点(重要文化財)
「神宿る島」沖ノ島を含め三宮の美女三女神を祀る宗像大社は福岡県・宗像の文化財
2017年(平成29年)7月9日に「神宿る島」宗像・沖ノ島と関連遺産群の世界文化遺産の登録が決まりました。
沖の島は、人は住んでおらず女人禁制で、島の物は一切持ち出すことは出来ない神聖な神の島です。
宗像大社(むなかたたいしゃ)は、三宮の総称で沖ノ島の沖津宮(おきつぐう)と大島の中津宮(なかつぐう)そして本土の辺津宮 (へつぐう)です。
それぞれに美しい姫神が祀られ、沖津宮(おきつぐう)には 田心姫神(たごりひめのかみ)・中津宮(なかつぐう)は湍津姫神(たぎつひめのかみ)・辺津宮 (へつぐう)に 市杵島姫神(いちきしまひめのかみ)の宗像三女神(宗像大神)が鎮座します。
日本神話で天照大神(あまてらすおおみかみ)と素戔嗚尊(すさのおのみこと)の誓約(うけい)の際に、素戔嗚尊の十挙剣の破片から生まれたのが三女神(みはしらのひめがみ)です。
歴代の天皇を助けるため天照大神の神勅(しんちょく)により、三女神は宗像の島々に降り立ち、島や宗像の地を治めるようになったのが宗像大社の始まりとされています。
宗像大社は、「道主貴(みちぬしのむち)」とも言われ、「貴(むち)」はあらゆる道の最高神に贈られる称号で、ここ以外では伊勢神宮の「大日靈貴(おおひるめのむち)」、出雲大社の「大己貴(おおなむち)」のみの名誉あるものです。