「君の名は」涙する感動のラストシーンは四ツ谷・須賀神社へ続く階段。
「君の名は」のラストで、互いに探していた瀧と三葉が住宅街の上と下の階段ですれ違い、捜し求めた相手だとわかって涙し同時に名前を尋ねた場所が、実際では東京都新宿区須賀町に鎮座する「四谷・須賀神社」へ続く階段のようです。
見比べてみると実際の場所とまったく似ていることから、ここの「四谷・須賀神社」で間違いなさそうです。
この場所、この場面は映画内でかなり重要度が高いようで、ポスターや関連グッズにも多く使われており、聖地巡礼の中でも、一番多く訪れている場所ではないかと思われます。
映画を見た人には感動の場所で、これから見る人にはストーリーを想像させる場所となりそうです。
須賀神社へ向かう階段は2つ瀧と三葉は鳥居正面側の階段で再会
四谷・須賀神社へ向かう階段は2ヶ所あるのですが、瀧と三葉の再会場所は、上の立体マップで見ると黄色の押しピンが刺してある階段です。
こちらが、その階段の全体写真です。
ここを上がって右に行けば、須賀神社の鳥居が見えます。
階段下を少し行った十字路付近。
そして、立体マップに青色の押しピンが刺さっているのがこちらの階段です。
ここの階段は、須賀神社へ鳥居の横から向かうかたちになります。
聖地巡礼!四ツ谷駅から須賀神社まで(動画)
さて、「君の名は」で聖地となったこの階段、またこの先にある「四谷・須賀神社」とはどういう神社なのか詳しくご紹介していきます。
須賀神社は四谷十八ヶ町の鎮守様!天王様と呼ばれる二柱の主祭神
「四谷・須賀神社」は、東京都新宿区須賀町の四谷界隈の高台に江戸初期より鎮座する神社で、四谷十八ヶ町の総鎮守様です。
四谷十八ヵ町とは、須賀町・四谷一丁目・四谷二丁目・四谷三丁目・四谷四丁目・三栄町・本塩町・坂町・片町・愛住町・荒木町・舟町・若葉一丁目・若葉二丁目・若葉三丁目・左門町・南元町・信濃町の事です。
もともとは稲荷神社で一ツ木村の鎮守(今も赤坂)でしたが、1637年(寛永14年)に大名主馬込勘由が幕府の命の功績により現在の四谷一帯を拝領したのをきっかけに、1643年(寛永20年)の日本橋大伝馬町の守護神として、神田明神摂社に祀ってあった牛頭(ゴズ)天王(須佐之男命と習合)を四谷に合祀し御両社を祀るようになりました。
江戸時代は、「四谷牛頭天王社」や「稲荷天王」などと呼ばれ親しまれていましたが、1868年(明治元年)神仏分離により社号をを須賀神社と改められた、旧社格は郷社。
須賀の名前はスサノオノミコトがヤマタノオロチ退治の故事より
インドの祇園精舎の守護神である牛頭天王(ゴズテンノウ)は、須佐之男命(スサノウノミコト)と同一視されており、明治までは須佐之男命を祀る神社を牛頭天王社と呼ばれていました。
須賀の名称は、須佐之男命(スサノオノミコト)が出雲の国で八俣の大蛇(ヤマタノオロチ)を討ち払い「吾れ此の地に来たりて心須賀、須賀し」と宣り給いて、宮居を占め給いし故事 に基づき名付られました。
この時、足名椎命と手名椎命夫婦の末娘の櫛名田比売(くしなだひめ)が、八俣の大蛇に食べられるのを結婚を条件に救った事で、二人は一緒になり出雲の根之堅洲国(現・島根県安来市)の須賀の地(須我神社)で暮らしたとされます。
須賀神社の御社殿は豪華で優雅!多くの御祭神に多くのご利益あり
<社殿>
戦前の1819年(文政2年)に造営された御社殿は、終戦前の1945年(昭和20年)5月24日に東京大空襲によって焼失。
かろうじて免れたのが御本殿と御内陣・摂社の天白稲荷社ですが、後生まで保存できるものではなく、大修復の末、1989年(平成元年)にコンクリート製とし落成となりました。
太陽の光に反射してキラキラした輝きを見せる青緑の屋根と金色をふんだんに使った御社殿は、豪華で美しい!
また、夜見てもライトが金色をより輝かせ、優雅さを感じさせます。
四谷須賀神社の主祭神は二神であらゆるご利益が叶う
四谷・須賀神社の御祭神 | ||
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主祭神 | 須賀大神 | 須佐之男命(すさのおのみこと) |
稲荷大神 | 宇迦能御魂命(うかのみたまのみこと) | |
相殿 | 櫛稲田姫命(くしなだひめのみこと) | |
右御子五男神 | 天忍穂耳命・天穂日命・天津彦根命・熊野樟日命・活津彦根命 | |
左御子三女神 | 多紀理姫命・市杵島姫命・多岐都姫命 | |
合殿 | 大鳥神社 | 祭神:日本武命(やまとたけるのみこと)・天日鷲大神・大鳥連祖大神 |
末社 | 大国社 | 祭神:大国主命(おおくにぬしのみこと) |
祭神 | 四谷・須賀神社のご利益 |
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須賀大神(暦神) | 暦神・諸願成就・土木建築・悪霊退散・諸難・疫病除けの神 |
稲荷大神 | 五穀豊穣・開運招福・商売繁盛の神 |
★須佐之男命(すさのおのみこと)と櫛名田比売(くしなだひめ)が仲良く暮らした事から、二人の祭られる神社は良縁・縁結び・結婚のご利益をいただけます。
須賀神社の境内
境内は比較的コンパクトで、都内ありながらも高台という位置と樹木に囲まれているためか、清々しい空気が流れており、気分お心も落ち着きます。
そして須賀神社の特徴は、多くの祭神が祀られているためご利益も多いパワースポットです。
<境内の天白稲荷神社>
摂社の天白稲荷神社には、祭神に倉稲魂大命、相殿に天照大神・応神天皇・神功皇后・大山祇神・猿田彦神・大物主神等の17柱の神が祀られています。
<神楽殿>
例大祭の土・日には神楽殿で奉納神楽等を終日行われます。
<祖霊社>
祖先崇拝の精神を忘れず感謝の誠を捧げ、日々御神明への御奉仕が行われれる祖霊社。
例大祭は神楽・神輿・露店並ぶ大人気の恒例イベント
毎年、6月初めの金曜日から月曜日迄行われる、四谷18ヶ町が参加する「須賀神社恒例大祭」は、四谷周辺の人ならず遠方からも足を運ぶ大人気の恒例イベントです。
例祭は、【宵宮 (前夜祭)】・【例大祭々典・境内露店出店】・【本社神輿渡御・境内露店出店】・【修祭】の四日間に分かれて行われる神社最大のお祭です。
例大祭で、3日目の本社神輿渡御には2年に1度だけ行われる本社神輿の出御があり、大人約100人程が約1.2トンの本社神輿を「四谷担ぎ」と呼ぶ独特の担ぎ方で担いで町内を巡り、見ている方も盛り上がり興奮が抑えきれません。
<本社神輿渡御>
<神輿・屋根は鳳凰>
神輿の屋根上を見ると天王社の氏子地域では神輿の屋根を鳳凰とし、稲荷神社の氏子地域では擬宝珠に変えて担ぎます。
<神輿・屋根は擬宝珠>
<神楽殿・御神楽の奉納>
大鳥神社大祭の四谷酉の市は「開運熊手守」購入で宝くじが引ける
毎年、11月の酉の日には大鳥神社(須賀神社)で「四谷酉の市」がおこなわれます。
2016年の日程だと「一の酉」は11月11日(金)で、「二の酉」は11月23日(水)です。
酉の市の日には、階段に提灯やのぼり旗も飾られお祭一色です。
本殿前にも提灯やのぼり旗が飾られ、その横では巫女さんから「開運熊手守」や「お守り」を購入できます。
こちらの巫女さんが持っている「開運熊手守(かいうんくまでまもり)」は、須賀神社限定の手作り品です。
「開運熊手守」は、古くから熊手で福をかっこむと伝われており、開運・商売繁盛のお守り。
「開運熊手守」一体800円で、一体購入ごとに一回宝くじを引くことが出来ます。
かなり、高額品の商品が用意されているとか!
これは可愛い手招き猫!商売繁盛・福来たる!
地元、四谷の老舗和菓子屋「坂本屋」の「切山椒」は、職人の技で作られる上新粉に山椒の粉と砂糖を加え、拍子木型に切った餅菓子で須賀神社の酉の市の名物で、山椒の香りが厄をはらう縁起物の一品です。
須佐之男命を主祭神とする全国の神社
牛頭天王(須佐之男命)祭神とする須賀名の神社は、全国に数多く存在し、「須我」「清」「素鵞」などの名称の神社も祭神は同じです。
須賀神社は、八坂神社・祇園神社・八雲神社などと同様に祇園信仰の神社で、東京都には他にも同名の神社が台東区や杉並区に鎮座します。
東京都内その他の須賀神社
<杉並区 成宗須賀神社>
御祭神は、素盞嗚尊(スサノヲノミコト)で、社名の成宗須賀神社(なりむねすがじんじゃ)は出雲の須賀社にちなんでいる。
南阿佐ヶ谷駅から南西へ徒歩約5分距離にあり、写真の社殿は1958年(昭和33年)に新築されたもの。
<台東区 須賀神社>
明治元年施行の神仏習合を禁止する神仏分離令で、宝現院大円寺から分離して、須賀神社と社名を変更。
震災や空襲により、社殿は被災したため1961年(昭和36年)にコンクリート造りで再建された。
御祭神は素盞嗚尊(スサノヲノミコト)家運隆昌、疫病退散などのご利益があり、JR総武線・都営浅草線「浅草橋駅」から徒歩約5分程の場所に鎮座します。
須佐之男命が主祭神の全国有名神社
須佐之男命を主祭神とする神社で有名なのは、櫛名田比売(くしなだひめ)と安住の地として暮らした山陰の島根県で、八重垣神社(島根県松江市)・須佐神社(島根県出雲市)があり、他に八坂神社(京都府京都市)や熊野本宮大社(和歌山県田辺市)がなどがあります。
<島根県八重垣神社>
素戔嗚尊(スサノヲノミコト)と稲田姫命(イナタヒメノミコト)は結婚し、縁結びの道を開いた神でもある。
ご利益は、「縁結び」「夫婦和合」「子宝」「安産」「厄難除」。
<京都八坂神社>
御本殿十三座の内、中御座に素戔嗚尊(スサノヲノミコト)東御座に櫛稲田姫命(クシイナタヒメノミコト)が鎮座する。
御利益は、「良縁成就」「家内安全」「病気平癒」「商売繁昌」「開運成就」「試験合格」など。
「須賀神社例大祭」担ぐ人見てる人も大興奮の本社神輿渡御!(動画)
「君の名は」の聖地・須賀神社へ続く階段で思うこと
「君の名は」の聖地巡礼で、須賀神社へ続く階段に訪れる人やこの場所のみの写真撮影で帰られる人もいるようですが、ここまで来たら絶対「四ツ谷・須賀神社」の参拝も行って見てはいかがでしょうか。
何故か、新海誠監督がこの階段をラストシーンにしたのは意味があるからではないかと思われます。
須賀神社の御利益は諸願成就(しょがんじょうじゅ)、瀧と三葉の願いを叶えるにはこの神社が必要だったのでは?
諸願成就は、諸々(いろいろな)の願いを叶える事。
そこへ向かう二人の願いは、心の奥にある本当(記憶)を知ること。
そんな願いを叶える神社が、須賀神社ではなかったのか。
私自身は、そう感じています。
四谷・須賀神社の詳細情報
【四谷須賀神社】
所在地:〒160-0018 東京都新宿区須賀町5番地
TEL:03-3351-7023 FAX:03-3326-1544
公式ホームページ⇒四谷・須賀神社
【利用可能時間】
年中無休
【参拝料金】
無料
八方百難除(はっぽうひゃくなんよけ):
年の初めにその一年の間、身に降りかかる災いを神様に守って頂く伝統のお祓い。
ご祈願:午前9時00分~午後4時30分
【アクセス】
マイカー:参拝者用駐車場有り(他近隣にコインパーキング有り)
JR:中央線「四ツ谷駅」より徒歩10分程
JR:総武線「信濃町駅」から徒歩で12分程
地下鉄丸の内線・南北線で「四ツ谷駅」より徒歩10分程
地下鉄丸の内線で「四谷三丁目駅」より徒歩8分程(これが一番近い)
【お宿情報】:>>四ツ谷須賀神社の周辺宿はこちら【楽天たびノート】
【須賀神社周辺のマップ】